痛くない痛み

言葉だって立派に人を殺せるんだけど血が出ないからわかりにくいんだよね。あとは殺してる自覚のない人とかも結構いて、私が苦しめられたのはむしろこっちで、「ナナだから大丈夫」というある種の信頼にも似た呪いでした。

昔はこんなこと言われなかったからーとか普段は優しいからーとか根本的には私をとても好いてくれているからーとかそんなんで痛みをなかったことにしようとして、暴力(物理的ではない)のあとの物凄い優しさとか嘘ではなさそうな愛情なんかに救済すらも覚えていました。落として上げられるのに弱いんだってば。我慢して得られる甘い蜜って本当に甘いよねでもマジでだめだよー。今なら言える。この人本当は優しいからとか関係ないからねどんな聖人のすることでも傷つけられたら傷ついたって言うべきだからねとりあえずそうさせた自分が悪いことにして飲み込むな。

そういうものに雁字搦めにされたときは遠くに逃げるのって実は必勝法かもしんない。一緒にいることによるその人との普段の楽しさが得られないのはちょっと残念だけど、それ以上に心をバッキバキにされずに済む。悲しい言葉が鳴り響いて眠れない夜がほとんどなくなったもんね。過去に言われたことは今でも時々苦しくなるけど新規がないのがだいぶ楽。ごめんねなんかドライで。

あとは私を言葉で斬りつけてこない「私のことが好きな人」の話を積極的に聞くようにしてみた。そうすると、これまで散々に言われたり変な言葉に嵌めて身動き取れなくされていた事たちが生まれ変わったみたいにキラキラして見えるようになったよ。しかも私が続けてるってことで救われてくれる人がいることも知って、あのときやめなくてよかったなーって思った。心から。

誰かに世界を支配されるのもそこから抜け出すのも自分の手にかかってんだなって最近死ぬほどわからされた出来事です。色んなこと大丈夫になった新生ナナちゃんと世界が終わるまで祈ってこ。