詩を書きました。
「自殺をするので電話をしてくださいと頼みました
私はいつからか死ぬことがなによりも
甘美でうるわしいものだと信じていました
なにかの意思を生み出すこの身体を持ったからには
死は自らで選ぶのか真実だと思っていました
淘汰される愛情があることを知りました
たったひとりのさみしい支配から逃げ出しました
そうして私は
人生ではじめて、いただいた愛を踏みつけました
人生ではじめて、私宛の手紙を破り捨てました
人生ではじめて、ほんとうのことを言いました
分かり合えない言語どうしの歪みを抱えて
すり減りたくないとはじめて自分を守りました
他者を嫌うことはさほど大罪ではありませんでした
自殺はもうしないので電話をしてくださいと頼みました
3コール目に出たあなたはどこまでもやさしくて
きっと夏になったらこの人に会いに行くのだと決めました
夏までは死んでも生きてやろうね」
何度も死にたいと、死んでやろうと思っていました。あてつけのように、今も思います。でも死んでしまって詩をかけなくなることが本当に、死ぬよりも辛いので、私はこれからも小説の中で自殺をします。私が私を殺して、それでも世界を救います。
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